空の写真悲しいけれど 覚えておきたい人の話なので 見ずらい色の文字にしました。ご了承ください。空の写真 「病室の私のベッドから空が見えないってことに気がついたんだ」 病室の窓から見えるのは ショッピングセンターの壁と日産の販売店の看板だけ。 単純に 『「空」持ってきてやる』 富士山の頭がチラっと写った 真っ青な空の写真を撮った。 A4サイズに引き伸ばして 病室の窓のところに置いた。 それから 彼女は毎日のように「空」を眺めていた。 彼女の正体は 「元彼女」 1~2年 付き合ったかな。 当時…自分の家と 彼女のアパートは 直線で100キロも離れていて 当時 仕事を定時で終えて家に帰り 車に乗って 彼女の部屋へ走った。 日付が変わるころ 「帰るね。また明後日ころに来る・・・。」 そういう毎日が ずっと続くと思ってた。 別れを切り出したのは 自分だから 彼女には「申し訳ない」と思ってた。 近くの仲間と遊ぶほうが 楽しくて 仲間の中の女の子を好きになった。 別れたのは もう10年くらい前になるだろうか・・・。 それからは ほとんど会っていない。 彼女が入院したって聞いたのは 今から3年ほど前のこと。 彼女と付き合うキッカケになった女友達と 久しぶりにバッタリ会った。 「理●子、入院してるんだよ」 ショックだった。 当時から 特別な薬を飲んでいた。 (教えてくれなかったけど。) 調べたことがある。ゴミ箱に捨てた薬の入れ物を拾って・・・。 訳の分からない専門書を読んだら 専門用語がイッパイ書いてあった。 唯一 分かったのは「白血球が・・・」って部分だけ。 何か恐ろしい病気にかかっていることは 間違いないと そのとき思っていた。 彼女の病名は「慢性骨髄性白血病」 『「偶然、ま~に会ったよ」って言ったら 「会いたい」って言ってたよ。』 ってメールが女友達から来た。 子供がいることなんかも 全部しゃべったらしい。 「性格とか 好きなものとか そっくりなんじゃないの? 息子。見た~い!!!」 なんて言ってたらしい。 バカちん。。。 それからすぐに 会いに行った。 ひとりで。 痩せていて・・・。 いや やつれていた。 昔話をイッパイした。 そんなとき「空が見えないんだ」なんていうから 「空」の写真を撮って 届けた。 それから 1ヶ月。 彼女は 空へ・・・。 享年34歳 早すぎる人生の幕切れ・・・。 ************************************************************** その後…再放送で初めて目にした 「世界の中心で、愛をさけぶ」を見て 衝撃を受けた。 病室の窓から「空」が見えない亜紀ちゃんのために 朔太郎は「空」の写真をイッパイ撮ってきて ベッドの上の天井に貼った。 大人になった朔太郎の言葉。 「だから 亜紀は空に手を伸ばしたんだ」 *************************************************************** 彼女のことにリンクしてて めちゃめちゃ涙が出た。 息子を紹介してやることが出来なかった。 彼女は「空」に手を伸ばしたんだ。 |